性別違和・性同一性障害・性別不合
同じ状態を指す言葉が3つある理由は、医学の反省の歴史です。
3つの言葉の関係
| 性同一性障害(GID) | 従来の診断名。「障害」として扱う枠組み |
|---|---|
| 性別違和 | 米国の診断基準(DSM-5)の言葉。「本人が感じる苦痛」に焦点を移した |
| 性別不合 | WHOの国際分類(ICD-11)の言葉。精神疾患の章から外れた |
変遷の方向は一貫しています。「その人のあり方」を病気と呼ぶのをやめ、「本人が困っていること」への医療支援だけを残す。性別のあり方そのものは治療の対象ではない、という整理です。
診断があると何ができるか
日本では、ホルモン療法や手術を保険・医療の枠組みで受ける入口として、また戸籍上の性別を変更する(性同一性障害特例法)ための要件として、診断が機能しています。つまり診断は本人が必要とする医療と法的手続きへの通行証であって、周囲がその人を分類するためのラベルではありません。
周囲にできること
診断の有無を尋ねないこと。医療を受けているかどうかで扱いを変えないこと。そして「本物かどうか」を判定しようとしないこと。診断は本人と医療者の間の話で、それ以外の場面では、本人の自認がすべてです。